社長の独り言
● リゾートしらかみ、五能線

青森で、年初から決まっていたロシアビジネスセミナーがあり、丁度、同時期に秋田での所用ができた。隣県だからと、青森⇔秋田の日帰りを試みる。

時刻表と現地での滞在時間を計算すると、かなりの強行軍となる。隣り合った地方都市でもアクセスは甘くない。関係者からは、あきれ気味で、羽田に戻って出直した方が早いかも、といわれた。

自称「乗り鉄」は、そんなつまらないことはしたくない。在来線で行く、往路、復路は出来るだけ同じルートを通らない、というのが原則。日本海沿いを走る東能代⇔川部間の五能線に、いつか乗ってみたいと思っていた。こんなチャンスはめったにないだろう、とりあえず切符を予約する。2週間前というのに、全車指定席の<リゾートしらかみ>は既に海側とは反対の3席しか空がない。青森⇔秋田間、奥羽本線特急では2時間半であるが、日本海側をぐるーっと廻る五能線では5時間半かかる。

往路を奥羽本線にし、仕事を終えて午後の復路に五能線に乗って日本海の旅を楽しみたかった。が、青森、秋田の両駅から午後に発車する<リゾートしらかみ>はない。夫々の駅から午前中、もしくは午後一番の発車のみである。したがって、秋田日帰りで青森に戻るには、往路の朝の青森で<リゾートしらかみ>に乗車するしかない。8時に発車して、秋田着は13:30分である。売店でお弁当、飲み物、ツマミを買い込み、入線してきた<リゾートしらかみ(青池)>に乗り込む。車両は席の前後がゆったりとスぺースがあり、座席も広い。上の荷物棚の下あたりから、座った席のひざ下まで窓も大きくあいている。

梅雨時の平日に旅する乗客の顔ぶれを見回したところ、ほとんどがJR東日本の「大人の休日倶楽部」ジパング族であることがわかった。男性65歳から、女性60歳からJRの切符が最大30%引き、その他にも諸々の特典がつくらしい。駅に停車するごとに「ジパング」の宣伝が目に付く。JRはうまいこと考えたものだ。津軽半島に入ると車内で津軽三味線のライブがはじまる。梅雨の合間の明るい爽やかな風景に、荒々しく重い三味線の音色は場違いな気がする。もっと演歌的な風景を想像していたのに、窓外に走り去る家並みはどれもりっぱで、屋根もカラフルだ。乗車1時間半の「鯵ヶ沢」辺りから「あきた白神」までの約2時間が、撮影ポイントの海沿いの風景が広がる。荒波にあらわれてできた奇岩郡、ポスターでもお目にかかるニッコウキスゲの咲く浜辺などシャッターチャンスのポイントでは電車も速度落とすので、下車しなくても十分堪能できるし、山側の席でも前後に広い展望車が付いているので撮影には不便しない。カメラの趣味はないが、乗客の空気に合わせて用意した。が、滅多に使わないため、日本海にでる手前の「五所川原駅」で電池が切れてしまった。これ以降は、頭に焼き付けていくしかない。5時間30分は退屈することもなく、秋田駅に到着した。30度を越す秋田で仕事を片付け、17時30分の奥羽本線で予定通り青森に戻る。日本鉄道路線の北の一部をマーカーで塗りつぶすことができた出張だった。

 

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「五所川原駅」のジパングの宣伝、これ以降は電池切れで最後のフィルム

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