社長の独り言
コスモス(秋桜)日記

コスモスが好きだ。

地元の地方紙に≪メルヘンの里≫として、コスモスの群生写真が紹介されていた。

知らなかったが車で30分足らずのところにあるらしい。早速、気恥ずかしいようなネーミングの≪メルヘンの里≫を目指し、ナビを頼りに車を走らせた。

この辺りではないかという地点に着たが観光的な車も、人影も見えない。畦道を拡張した車道をウロウロし、畑仕事をしている小母さんに声をかけてみた。

「メルヘンの里って何処ですか?」

「すぐそこですよ」と少し先を手で示した。

200メートルぐらい先の野菜畑や稲の実った田んぼの一角にコスモスばかりが咲いていた。

コスモス畑の前の農家にトラックや耕運機が止めてある。コスモス畑の持ち主だろう。

野菜や稲を作らないで、200平方メートルばかりの一区画にコスモスを植えている。この家の誰かが、きっとコスモスが好きなのだ。そして新聞に記事を書いた記者さんもきっとコスモスが好きで思わず≪メルヘンの里≫というタイトルにしたのだろう。

見渡すかぎりの田んぼと畑に相変わらず人影はなく、われわれだけが贅沢にコスモスの群生を鑑賞し、もと来た道を引き返した。

その1週間前、仕事関係の知人の誘いで秋田県の五城目を訪れた。

森林資料館のある高台の五城目城からは稲刈りの前の稲穂が黄金色の海のように揺れていた。途中の道にはやはりコスモスが咲いている。公共交通の便もなく、資料館を訪れる人は年間500人ぐらいという。コスモスの咲く今の時期でも訪れる人は数人であろう。

五城目のコスモスは植えた人もいなければ、鑑賞する人もいない。勝手に咲いて勝手に散っていく。

“可憐な花”のイメージのコスモスだが、実は強靭な生命力を持っている。

どんな貧弱は土や、乾燥地帯でも種を風に飛ばし繁茂していく。他の植物の栄養分まで吸い取って成長する野生の花だ。茎は子供の腕くらいの太さにもなるという。

メキシコ原産の野生の雑草に<秋桜>と名づけ、俳句や短歌に詠まれて秋の季語にもなっているが、植物図鑑の扱いは春の桜に比べたらかなり格下だ。

しかしコスモスはまったく気にしている風はなく、夏が去ると出番を忘れず、風に飛ばされた地で、より逞しくより美しく咲きほこる。

そんなコスモスが、やはり好きだ。

 



p1000496-2

五城目城からのコスモス



dsc_0007

「メルヘンの里」のコスモス

コメントをどうぞ

ページの先頭へ