社長の独り言
オアシス都市―タシケントへ(1)

ウズベキスタンの首都タシケント、成田間には週2便、直行便がある。

JALのモスクワ、成田の往復ですら週2便である。旧ソ連圏やトルコ、東欧に入る通過点として利用されているのだろうか。採算がとれているとも思えないが、事実上の独裁政権の政治的判断によるウズベキスタン側のフライトであろう。

タシケントまでなら9時間弱、時差が4時間というのは体力的に助かる。

午前10時成田を出発して6時間もすると、眼下には地球創生以来、誰も足を踏み入れたことはないであろう黒い岩山が刃を天に向けて連なっている。地球も宇宙の惑星にすぎないことを実感する未踏の風景が広がる。

やがて岩山の刃がココア色の砂山に変わり、白いベールの雲の下に褐色の流砂が舞っているのが見える。

緑の畑が開けたかと思うと飛行機は高度を下げ、中央アジアのオアシス都市タシケントに着陸。10月下旬とはいえ、東京より気温は高く、乾燥した空気のなかで午後の日差しがまぶしい。

日本側は総勢7名、ウズベキスタン基金による「Style UZ.文化・芸術祭」のゲストということでウズベキスタン大使館の書記官マンスール氏に案内されVIPとして入国。

タシケント映画祭の審査員の伊藤監督、「東京100年写真展」を企画したカメラ財団の谷野理事、ファッションショウを行なうカミシマチナミ氏と彼女の会社の社長とアシスタント、それに取材ということで日経の若い記者宮本氏と私のメンバーだ。念のため書いておくと宮本氏と私は取材の手配はウズベキスタン側にしてもらうが、旅費、宿泊費とも先方の負担は断っている。

日経では取材先の招聘は禁止されているそうだ。当たり前のことであるが。私の場合は、やはり先方負担となると、書きたいことが書けない、言いたいことが率直に言えないというブレーキが心情的にかかることを避けたいためである。「先方の招待には素直に乗っておくのが、礼儀ですよ」という助言もいただいたが、礼儀は重んじつつも物書きをめざす端くれとしては国であれ、人であれ取材先にはどこにも貸し借りを残しておきたくなかった。

今回と、次回の「独り言」では、年に1回の国を上げての文化・芸術祭だからこそ接することができた事実や印象をまじえて感じたままを書いてみたいと思う。

 

今までそれなりに海外に行ってきた。私なんかより、もっと沢山の国を訪れた人は大勢いる。でも中央アジアのウズベキスタンを訪れたことがないというのであればぜひお勧めしたい。

韓国、中国、ベトナム、タイ、インドへと進出してきた日系企業で中央アジアに触れたことがない企業にはぜひ一度、視察にいかれることをお勧めしたい。

多くの魅力と可能性が芽吹きはじめている。

真夏以外は気候よし、料理よし、野菜、果物が豊富、治安よし、伝統文化歴史あり、街は清潔、親日的、物価は安く、若い女性はおしゃれできれい、教育レベルが高い、イスラム教の世界であるが戒律がゆるいなどなど。

欠点というか、日本人がついていけない点もあげておこう。

計画性がない。変更が多い(融通性があるというべきか)。一般広報が下手(知る人ぞ知ることが多すぎる。細かい計算をしない(お釣りがマッチ箱一箱だった)。時間の観念が希薄。

西欧文化やブランドに憧れすぎ。マスメディアの価値観がそのままの自己の価値観になっているなどなど。

日本に来たウズベク人が日本社会のルールの多さと厳しさ、些細なことでも不注意でルールを外した場合の責任追及には驚いたという。通訳のチムール君が「ウズベクにはストレスやうつ病の人はいないし、電車に飛び込む人もいない」といっていた。話半分としてもうなずける。すべてがゆる~いのだから。



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